ハローワークで医療事務・調剤事務の職業訓練コースは、病院等や調剤薬局での受付、会計や保険請求事務に必要な診療報酬の知識や請求書の作成ができ、医事コンピュータの操作や病院接遇を身に付けて医療機関の事務職として早期に長く従事することなどを訓練目標に実施されます。
ハローワークの医療事務科・調剤事務科の職業訓練
医療ビジネス科
訓練目標
医療保険制度について認識し、カルテの読み方、診療報酬点数の計算と請求事務およびパソコンを使用したオペレーション技法を習得する。
訓練概要
医療事務におけるヒューマンスキルを身につけ、受付案内、会計、保険請求実務やOA機器操作等の文書作成ができる人材。
訓練終了後に取得できる資格
医科2級医療事務実務能力認定試験/2級医療秘書実務能力認定試験/医師事務作業補助者実務能力認定試験/介護事務管理士技能認定試験/調剤事務管理士技能認定試験(※受験は全て任意で、費用は自己負担)
訓練内容
医療事務の概要
病院の概要、医療事務の役割と心得、医療用語・医療法規の基礎知識、病院受付案内、窓口業務
医療保険制度の基礎知識
保険診療の仕組み、医療保険制度の概要、公費負担医療制度及び医療費助成制度等
診療報酬請求事務の基本
点数表とその解釈
基本診療料 初診料・再診料・入院料
特掲診療料 医学管理等・在宅医療・投薬・注射・処置・手術・麻酔・検査・画像診断・リハビリテーション・精神科専門療法・放射線治療
診療報酬明細書の作成
レセプト作成(外来・入院) 点検 総括
コンピュータリテラシー(PC基本操作)
ウィンドウズの基本操作 文字入力・保存・印刷・終了
ファイルの整理 フォルダ作成・移動・削除・検索
データのバックアップ
文書処理
Word画面の基本操作 文書作成 表編集 図形描画
表計算
Excelデータ・数値の入力 表作成 関数と計算機能 グラフ
医療事務・医師事務作業補助者養成科
医療事務・医師事務作業補助者養成科
訓練目標
医療事務、医師事務作業補助の即戦力となる知識、スキルを習得し、医師事務作業補助体制加算の施設基準を満たす32時間研修内容を習得した人材として医療機関に就労できるレベルになる。
医療事務(2か月)科
訓練目標
医療事務に必要な知識・技術を習得し、医療機関に就労できるレベルになる。
医療事務・調剤事務の資格(診療報酬請求事務)
医療機関において、診療報酬を請求するための書類の作成を行ったり、窓口において、外来の受付、医療費の請求、入退院の手続などを行う。医療機関での具体的な業務は、診察が終わった患者のカルテを見て、診察の内容、検査の種類、薬の量などをコンピュータに入力して点数化し、患者が自己負担する金額を計算する。保険診療では疾病名に対応した治療、投薬や療養の基準に基づいてレセプト(診療報酬請求明細書)を作成し、その後、そのチェックを行う。
ほとんどの医療機関で、レセプトを用いた保険請求事務はコンピュータで処理される。入力に見落としや誤りがないかどうかなど、レセプトのチェックを慎重に行う。レセプトは、毎月の決められた期日までに、被保険者が国民健康保険に加入していれば国民健康保険団体連合会に、被用者保険の被保険者については社会保険診療報酬支払基金に提出する。また、窓口での具体的業務は、外来患者を受け付け、初診の患者は、健康保険証を預かり、診察券やカルテを作成する。診察が終った患者等の診察料の計算と会計、カルテの整理・保管を行う。入退院の手続を行うこともある。薬剤、備品及び資材の購入に関する事務手続きをする場合もある。
薬価点数や診療報酬点数の知識が必要
特に学歴や資格は必要とされないが、専門学校や通信教育などで薬価点数や診療報酬点数の換算方法、請求書の作成の仕方、カルテの見方などを勉強する場合が多い。診察料と投薬料の点数など簡単な計算から始めて経験を積み、次第にレントゲンや注射、検査、手術、入院料など複雑な点数計算をするようになる。経験を積み重ね、多くのケースをこなして仕事に習熟してゆく。
関連資格として民間の「診療報酬請求事務能力認定試験」、「医療事務技能審査試験」がある。書類に転記し点数を計算する反復作業のため、集中力を切らさず着実に仕事をこなせる粘り強さが求められる。また、見落としや間違いに気付く注意力が求められる。
医科2級医療事務実務能力認定試験
2級医療秘書実務能力認定試験
医師事務作業補助者実務能力認定試験
介護事務管理士技能認定試験
調剤事務管理士技能認定試験
などがある。
ハローワークの職業訓練コース
ハローワークの職業訓練は、各都道府県の県庁所在地を中心に、都道府県内の各所で開講しています。申し込みは住所地を管轄するハローワーク職業相談窓口ですが、通学やオンライン受講ができるのであればどのエリアの訓練コースにも応募可能です。(県外のコースに応募することもできます。)
ものづくり関係の職業訓練を実施している独立行政法人運営のポリテクセンターや、都道府県立の職業訓練校の他に、パソコン事務系(簿記・パソコン・WEBデザイン・プログラミング)・医療事務系・介護事務系・ネイル美容系などのコースは民間委託校で実施している都道府県が多いです。
公共職業訓練(民間委託訓練)・求職者支援訓練(労働局委託の民間教育機関訓練)
また、民間委託も、都道府県からの委託を「公共職業訓練(民間委託訓練)」、各労働局からの委託を「求職者支援訓練(労働局委託の民間教育機関訓練)」となっている都道府県が多いです。
東京都では、東京都立職業能力開発センター(飯田橋・品川・大田・足立・台東・府中・八王子など)の職業訓練校が充実しており、東京労働局の「求職者支援訓練」(民間教育機関)は、自治体規模の割には少なめですが、求人需要の高い「WEBデザイナー」や「ゲームクリエイター」などのIT分野の訓練が充実していたりします。
また、神奈川県では、神奈川県立職業技術校かなテクカレッジ(東部・西部)の他に、横浜市中央職業訓練校という市立の職業訓練校があり、横浜市内の職業訓練を充実させています。
長期高度人材育成コース(保育士養成科などの2年間訓練)
ハローワークの長期高度人材育成コース(2年間訓練)は、4月から2年間のコースがあります。
介護福祉士養成科・保育士養成科・栄養士養成科などの実施があります。
東京都では、介護福祉士養成科・保育士養成科の他に、アプリWeb 制作学科・ゲームクリエイター学科・電子応用工学科・Web 動画クリエイター科・バイオテクノロジー科・環境テクノロジー科・歯科技工士(CAD デザイナー)科・言語聴覚士養成科・言語聴覚療法学科・言語聴覚士養成学科・税理士科・栄養士科・栄養科・パティシエカフェ科・カフェビジネス科・調理総合本科・調理師科・パーソナルトレーナー科・コスメビューティ科・ヘアメイクビューティ科の募集があります。
神奈川県では、介護福祉士、保育士、美容師、調理師、デジタル、医療秘書科、ジュエリー&アクセサリー科、国際ビジネス学科等の募集があります。
職業訓練と雇用保険の失業給付(基本手当・受講手当・通所手当)
基本手当とは
雇用保険の被保険者の方が離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職するために支給されるものです。雇用保険の一般被保険者に対する求職者給付の基本手当の所定給付日数(基本手当の支給を受けることができる日数)は、受給資格に係る離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などによって決定され、90日~360日の間でそれぞれ決められます。
受給期間の延長とは
失業保険をもらっている期間中にハローワークから紹介され公共職業訓練を受講すると失業保険(雇用保険)の受給期間は延長されます。原則として所定給付期間日数の2/3の受給日数を受け終わるまでに訓練を開始しないと訓練給付延長は受けられません
この訓練延長給付は、以下の3つの期間に適用されます。
- 訓練などを受けるために待機している期間
- 訓練などを受講している期間(最長で2年)
- 訓練などの終了後に再就職が困難な期間(最長30日)
職業訓練は3カ月、6カ月のコースが多く設定されていますが、若年層向けのコースには1年または2年間受講するコースも開設されています。この制度を上手に利用すると、本来の所定給付日数が90日しかない人も元の日数に加えて職業訓練を受給する期間分だけ支給日数が延長されることになります。
受講手当とは
受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に支給されます。支給の対象となるのは、基本手当の支給の対象となる日のうち公共職業訓練等を受けた日です。
受講手当の日額は500円です。受講手当の上限額は20,000円です。
通所手当とは
通所手当は、受給資格者の住所又は居所から公共職業訓練等を行う施設へ通所するために交通機関、自動車等を利用する場合に支給されます。
通所手当の月額は通所方法によりますが、最高42,500円までです。
支給対象にならない日がある月については日割により減額して支給されます。
求職者支援訓練も対象に
雇用保険の受給資格者に対して公共職業安定所長が受講を指示する公共職業訓練等の対象に「求職者支援訓練」が追加されました。
これによって、雇用保険の受給資格者が求職者支援訓練の受講を開始する場合、訓練実施期間中に訓練延長給付(受給期間の延長)及び技能習得手当等(受講手当・通所手当)を受給することができるようになりました。
*求職者支援訓練は、雇用保険を受給できない方を主な対象とした各労働局が民間委託などで実施する職業訓練です。
